何百年もの伝統のある産地から見れば「新興産地」にすぎないのですが、日本では根強い「シルク信仰」があって、高級なペルシャ絨毯と言えば「シルク100%のクム産」が最高峰と一般に言われていますが、世界的に見れば日本は特別な市場です。
それでも日本でも現状は大半はウールの物です。これはコスト的な理由や欧米流の生活スタイルへの変化など従来から美術工芸的な捉え方のシルクから、意識向上による実用的なインテリアとして認識が深まってウール系の絨毯が伸びています。
なぜシルクの絨毯は高い?
理由は「素材が高級なシルクだから」ではなく、シルクの糸はもともとウールに比べて非常に細いので粗悪品でも高級品でもウールの手間に比べると同じ面積を織るのに何倍もの手間がかかるからです。全体のコストから見て、材料がウールだろうとシルクだろうと材料代はあまり関係なく「手間代」が大きな要因です。
絹100%のペルシャ絨といえば一般的には“憧れの的”ですが、値段の安さや「柄の細かさ」だけでお買い求めになりますと後々困ることがあります。
一般的には絹のペルシャ絨毯の産地は「クム」ということになっていますが、実は大きく3種類に分けられます。問題は業者によってはペルシャのシルク絨毯は「クム産」で通していることです。
これは本当のクム産です。本来のクム産としての品質が保たれています。現在作られているものは、特長として(1)風合いが柔らかい。(2)手触りがヌメッとしている。(3)光沢。(4)デザイン性(安っぽい原色系の色は使わない)。(5)水濡れしてもすぐには「色の泣き」が無い。(6)クリーニング時の事故がない。総じて「いかにも良い絨毯」と思えるデザインや風合い・光沢などが特長です。